9月に入りました。が暑いですね。いつになったら涼しくなるのかと思う今日このごろです。
こんな暑い中でも医薬品を製造し、供給させることが医薬品製造業の責務ですが、ちょっと気になったことがあります。
医薬品の輸送について
生産した製品を出荷する際に、コンテナやトラックに積みますが、夏の間輸送の間の温度は大丈夫なのでしょうか。

上記はAIに積み下ろしの画像を出力してもらった物です。まあ色々ツッコミどころあるかと思いますがイメージということで・・・。
医薬品の保管温度は室温保管つまり1度から30度の間が基本です。ただ、夏の間だと普通に輸送していたら超えてしまう場面が多くなります。そのため、定温、保冷コンテナなどを用いて輸送する必要があります。ただ、現状、全てそれができるわけではないかと思います。費用的な面とそもそも確保できるかという面で。
もちろん保冷品など特別な管理が必要な医薬品もあるので、その場合は優先的に対応されているかと思います。
じゃあどうするかですが、流通上の短期間の逸脱があっても品質に影響がないことを担保できる試験として、加速試験の試験結果が使えます。
加速試験について
そもそも加速試験とは何かと言うと、申請する貯蔵方法で長期間保存した場合の化学的変化を予測すると同時に,流通期間中に起こり得る上記貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響を評価するための試験です。
基本として加速試験は40℃±2℃/75%RH±5%の条件で6ヵ月試験を行います。
参考URL
https://www.pmda.go.jp/files/000156805.pdf40℃で湿度75%だと現実世界だとそうそうない条件だと思います。とはいえ今年の夏は特に暑く、40度を超えた地点もありました。
幸い?にも40±2℃の範囲内にまだ止まってはいますが、来年以降、もっと暑くなってしまったら品質の担保はできるのか?できていると言えるのか?とちょっと疑問に思っています。
そもそも定温コンテナや保冷トラックなど室温条件で輸送できるように製薬側も努力すべきでありますが、全て対応は難しいと思うのは先述のとおりです。
実際にできている製薬企業はどのくらいいるのでしょうか。気になるところです。

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