GXPとはあまり関係ないですが(GDPとかはあるけど)医薬品の流通を担っている医薬品卸について色々書いてみようと思います。工場に来る前は卸にいたので振り返りも兼ねて。
まず医薬品卸の機能として4つあります。
・物的流通(物流)
これはそのまま物を適切に保管し納品先へ配送することですね。もちろん製品を仕入れて倉庫しっかりと温度管理しますし、特に冷所保管など管理が必要な物であれば配送中でも専用の輸送箱(クーラーボックス)に入れて配送します。また、盗難などにも気をつける必要もあります。特に麻薬、覚醒剤原料、向精神薬とかですね。なるべく外から中が見えないように配慮したり、基本的に一番初めに配送するなどしてました。
どの医療機関にも薬を配送し、必要な医療を受けられるようにするという医薬品卸の機能が遺憾無く発揮されている機能だと思います。まさに縁の下の力持ち。
・販売機能
これは医薬品、医療材料、雑貨などの商品を扱っていることの機能です。商社という側面も卸は持っています。また、MRと協力して、医薬品の販売の促進、適正使用の推進活動、専門医など使用が制限される医薬品についての販売管理、不適切な購入がないかの管理(ED薬、向精神薬とかですね)などを行っています。
・情報機能
医薬品の情報収集、納品先への提供(たとえば販売中止、新発売、回収、出荷調整、停止などの連絡など)、苦情処理や相手先の特徴に合わせた情報提供などがここに当たります。
相手先との何気ない会話の中かた重要な情報が出てきたり、なんてことがあるのかもしれません。
医薬品というは物だけあっても意味がないです。その物の情報があってこそ医薬品となり得るものです。そういった意味で重要な機能だと思います。
・金融機能(債権管理)
相手先の経営状況や製品の動き具合などを確認してして経営の効率化を図ることだそうです。
正直、これについてはイマイチ理解できていない部分です。サイト払いというのも卸に入って初めて聞きましたし。
サイト払いは医療機関の診療報酬は支払われるまでにラグがあるので、その分遅らせるというものですね(間違ってたらごめんなさい)大体2〜3ヶ月ぐらいでしょうか。
債権を回収できないと、卸としても大ダメージなので気を使う部分だと思います。
主にこの4つの機能を有しているわけです。卸は医薬品流通の交通整理を担っているといっていいでしょう。表に出ることはあまりないですがね。
また、災害時にも被災地へ医薬品、物資を運ぶよう、備えがされています。東日本大震災、能登半島の地震などで活躍しています。
そんな卸業界ですが、将来的にどうなるかは不透明(というより暗い)です。卸が利益を出すためには仕入れ価を下げて納入価を上げることが基本的ですが、メーカーからの仕入れ価は上がり、医療機関、薬局への納入価は下がるので利益が乏しくなっています。(薬価もどんどん下がっているのが主原因ですけどね)。必要な役割ではあるのですが、報われていない。はてさて今後どうなるのか
まあ、業界の商習慣というか、慣習というかもおかしい部分が多いですけどね。
そのあたりはまた別の機会に書くとします。
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