薬価が下がる影響

薬価がまた引き下げられるようです。薬価が下がるとどんな影響を受けるか、書き出してみます。

まず、単純に医薬品の価格が下がるので、製薬企業の利益が減ります。本来得られていた利益から配分される従業員の給料、医薬品の開発のための研究費、製造設備の維持、更新のためなどに使用できるお金が減ります。医薬品卸にも影響がきます。流通網にダメージがきます。そうなると医薬品の供給滞ることになります。

大昔は市場の価格と薬価の乖離が大きく、薬を売ることで大儲けしていた時代だったみたいですが(MRさんから医師は1日3人見れば生活できていたという話を聞いたり。まだ医薬分業が進んでない時代ですが)今は、市場の価格にプラス2%分の価格に抑えられており、かつ、ここ数年ぐらい毎年改定でどんどん下がっています。

エレルギーコスト、人件費、物価などが上がってきている今でさえも

製薬企業側の努力として、製造設備を更新、省力化、省人化、無駄な部分の改善などしていますが・・・。無理があります。というか、企業努力の結果、原価が下がって、納入価下がればまた薬価下げられるんですよね。これで高い品質を保ち、安定供給しろといわれてもねえと内心思います。

自分が卸にいた時は今の出荷調整地獄の始まりぐらいの時までですが、その前の段階から、無駄な配送の削減、取引先の見直し、価格交渉により、納入価の値上げといった取り組みが行われていました。

昨今の医薬品の供給不安の原因の1つに間違いなく薬価改定があります。薬価あげれば全て解決というものでもないとは思いますが・・・。特に、後発医薬品業界の産業構造(どんどん下がる既存薬の代わりに新しい後発品を上市してそれで利益を出すという構造。続けていくと少量で多品目を扱うことになり労力がどんどん大きくなって手が回らなくなる)も問題としてあったりとかもあります。

薬価がどんどん下がれば日本で薬を作る、供給するというビジネスが成り立たなくなるでしょう。というかなってる。にもかかわらず業界の声を聞こうとしない厚労省、財務省、中医協はなんなんですかね。

彼らで医薬品を製造していただきたいですね。

あ、国民負担が軽減されるという利点はありますね。まあ、診療報酬に回るんですが。

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