ご存知の通り7月20日投開票で参議院選挙がありました。すでに投票結果が出ていますが、医薬品業界関係者はどうだったか、また個人的に気になった結果について振り返ってみたいと思います。
個人的に気になった候補を何人か挙げてみます。
本田顕子(自民党 全国比例区)
日本薬剤師会の組織内候補を受けている現職で2期目を目指した結果、152,518票を集めて当選を果たしました。
前回の参議院選挙(2022年)で日本薬剤師連盟から出馬し当選した神谷政幸氏は12万票程度だったので3万票増えています。
正直に言えば、個人的にあまり評価していない(コロナ禍での解熱剤流通のスキームについてや改正薬機法で何を主張したかがわからない、実績、政策の発信が乏しい)のと昨今の医療関連への世間からのあたりの厳しさ、自民自体がボロボロといった状況から当選は厳しいのではないかと思っていました。しかし、票を増やして当選しました。選挙戦を通じて支持を増やしていったということでしょうね。
この辺りは素晴らしいことと思います。
当選した以上、薬剤師が国民に貢献できること、権限があればもっと活躍できること、そして医薬品業界の窮状を訴え、適切な政策を提案することを期待したいと思います。
今回の選挙で情報発信の重要性は身にしみたでしょうから、そこらへんの改善も期待したいです。
田村真美(国民民主党 全国比例区)
産業別労働組合「UAゼンセン」からの支援を受けて2期目の当選を果たしました。
しかも開票早々に当確が出るという。早い。
田村議員は医薬品の安定供給、薬価改定など製薬業界の窮状を理解して色々と動いてくれていました。なので当選してもらわないと困る議員の1人と思っていました。
今後も医療政策関連での提言を期待したい議員です。
音喜多 駿(日本維新の会 東京選挙区)
音喜多氏は医療政策、社会保障政策を訴えていたのが非常に印象的でした。現役世代の負担を減らすために必要であると。結果としては議席を取るには至りませんでしたが、後述する元厚生労働大臣の武見氏よりも得票数が上という結果になりました。
個人的な意見として、今の医療制度では現役世代の恩恵が少なく、持続可能なものではないと考えているので、批判を覚悟しながらも切り込む姿は素晴らしいと思いました。やり方はちょっと・・・と思わないでも無いですが。
毀誉褒貶ある人ですが、今後どうしていくのかは気になります。
武見 敬三(自由民主党 東京選挙区)
元厚労大臣の武見氏は東京選挙区で議席を獲得できませんでした。
この結果を受け、政界を引退する発表をしました。
落選後のコメントで「今回の選挙では、高齢者が増えて若い人の負担が増えるという構造のなかで、非常に大きな不満がたまり、発散されたと思う。しかし、しっかりしたビジョンがある政策論にはなっておらず、現状を破壊しようとして否定しただけだと思う」と述べています。
敗戦原因見えてるんですよね。正直意外でした。
本人は医師ではありませんが、父親が医師会会長を長く務めていたからか医師会のバックアップを受けていました。その中での落選ということなので、医師会の影響力が減るのでしょうか。(とはいっても比例で医師会の釜萢 敏氏が当選していますが)
個人的にあんまり医師会の支援者というだけでいい印象は持っていませんが、それでも医療系の議員として影響を持っており、製薬業界に対して理解を示していたと言われるだけに今後、落選の影響が出てくるの可能性はあります。
まとめ
他にも医薬品関連ではないですが、当選した自民の山田太郎氏、30万票以上の票を獲得しながら落選したN党の浜田聡氏などさまざまな思いが出てくる選挙であったと感じます。あと、こんなに当確が出ない選挙もなかなか無いのでは。
現在、参議院選挙の結果を受けて主に石破総理のせいで混迷を極めていますが、今後どうなっていくのでしょうか。製薬業界としてどんな影響が出てくるのか情報の取得を怠ることが無いようにしていきたいです。
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