テオドール錠販売中止
テオドールという薬があります。適応は気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫です。呼吸器系の病気に使われることがわかるかと思います。
そんなテオドール錠ですが、製造販売業者の田辺三菱より原料が手に入らず製造できないということを報告しています。詳細は以下をご覧ください。
https://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/info/ifn_5595_P20494.pdf先日記事にした通り、販売中止するには関連学会の了承が必要です。
今回の場合は日本呼吸器学会に連絡がされました。が、学会はこれを拒否。
販売中止は受け入れられない旨を田辺三菱に回答したそうです。理由としては、
・他の薬剤では十分な治療効果が得られない喘息やCOPDの患者が少なからず存在すること
・テオフィリンが使用不能なることで全身性ステロイドの使用頻度が高まり、ステロイドによる全身性副作用のリスクが増加すること
・治療の選択肢が失われることにより、医療現場での最適な処方が困難になること
・比較的安価な治療選択肢が消失することに伴う医療費の上昇や患者負担の増大が懸念されること
・確実な代替手段が確立されていない現状では、長期的な供給不足による患者や医療現場への混乱も否定できないこと
をあげています。詳しい理由は以下のURLからご確認ください。

いや作れんいうとんねん。他の原料使っても今と同じ品質になるかもわからんいうとるやろ。
ステロイドの使用頻度が高まり、副作用リスクってテオフィリン中毒のリスクよりも高いんか?
落ち着こう。実臨床上では、汎用されているかもしれない。ガイドラインをみてみましょう。
COPDガイドライン上では
テオフィリン製剤は先述した通り、呼吸器系の疾患に適応を持ちます。
その1つであるCOPDガイドラインが閲覧できたので、見ていきます。(下記URLどうぞ)
https://www.jrs.or.jp/publication/file/COPD6_20220726.pdf
第一選択でなく、症状の悪化、憎悪、頻回での悪化が認められた場合に使用を考慮するものみたいですね。
副作用を予防するためにテオフィリンの血中濃度を測定する必要があります。
また、他薬と併用した場合、呼吸機能の改善せず、憎悪頻度を低下させ、有害事象を増加させたとあります。
サルメテロールと併用した場合気管支拡張機能の上乗せ効果が見られるとのことです。
ガイドラインを見た感じ、使う場面は限られる、積極的に使うものであるなさそうです。
他のテオフィリン製剤について
テオフィリン製剤は何もテオドールだけではないです。
が、同成分薬を販売している沢井製薬が限定出荷をしています。
ただ、他に販売している会社は限定出荷をしてはなさそうです。
どちらにしてもテオドールの代替品として受け入れていないため、増産も難しいようです。
まとめ
原料の製造中止による供給停止の案内を受けて、学会に連絡。
学会は販売中止を承認出来ない旨を通達。
しかし、原料の変更することは製品への影響が大きく、規格にあった代替品を探すこと、製造方法の見直しも困難。それでも製造側は供給することを求められている。事態は好転するのでしょうか。
テオフィリン製剤の臨床上の必要性はそこまで高くなさそうであり、仮に供給が途絶えたそしてものすごく困るわけではないでしょう。多分。にもかかわらずこの仕打ちはあんまりではと思います。
そこまでいうなら学会が規格にある原料を探してこればいいのに。
今後の動向を見ていきたい事例ですね。

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